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主訴:むち打ち後遺症 40代男性 肩こりに悩む男性。ひどいときには腕がしびれたり吐き気やめまいがしたりする。腰痛もある。以前自動車を運転中追突されむち打ちになった既往があることが判明した。むち打ちは安静にしていただけで特にこれといった治療は受けていない。肩こりも腰痛もこの事故後現れたそうである。 怪我への針治療は発症後早ければ早いほど良いのは当然であるが、時間が経ってしまったものでもツボへの刺激に対する反応ルートは残っている。廃線になった鉄道の線路が草生した中にひっそりと昔の名残をとどめているように、事故で壊れてしまった経脈は時が経ちケモノ道のようになりながらも針の刺激がやって来るのをじっと待っているのである。その様は、まるで事故のときから時間が止まってしまったようである。 気を流すツボに針を刺したとたん、右腕がドーンと重く感じられ動かせないぐらいになった。針を刺したまま置いておくと重さは次第に消えてゆきやがて肩こりの症状が軽減した。 |
後で聞いた話では、その日の夕方パソコン作業をしながら眠ってしまったそうである。 体の不調に悩んでいる人と言うのは、インナーマッスルが緊張し動きが悪くなっている傾向がある。人は自分の体のすべての筋肉の状態を自覚しているわけではない。緊張し運動性が落ちている筋肉は自我による認識から抜け落ちている部分と言える。ここに針を刺すと、緊張させている筋肉の状態を脳が再認識し、その瞬間体が重くなったような感覚を覚えるのではないかと私は考えている。 その後、身体各所の筋肉の情報を脳が整理し直すために眠りに落ちるのではないかと思う。。パソコンのソフトをアップデートするときに再起動が必要になるのと同じようなものである。 |
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